コンサートにでかけよう
ピアノの練習の合間や、仕事の都合がついたら、コンサートにでかけませんか?コンサートは、新しいインスピレーションをもらえる、絶好の機会です。
他の人の演奏を聴くことは、とても勉強になります。生のコンサートは、舞台上で演奏家がどんどん変化していく姿や、それにともなって変化する音、また普段舞台上からはなかなか把握できない、ホール全体の空気を感じる機会となったり、とてもCDでは学べないような瞬間がたくさんあります。
演奏家は、誰でもはじめは緊張するものなので、客席にいながらも、ついつい自分が舞台に立っているような気がして、ハラハラしてしまうかもしれません。でも演奏が始まる前に、その演奏家がどうやって気持ちを落ち着けているのか、「ああ、実際はこんなに時間をとっていいんだ」とか、「自分の納得するまで、イスの高さを調節している」など、細かい部分が見えてくると思います。中には舞台に出てきて、お辞儀をしたと思った瞬間に弾き始めるピアニストもいるので、本当に人それぞれです。けして、「こうしなければいけない」と考えるのではなく、「こういうやり方もあるんだ」という気持ちで見たり聴いたりします。
客席から演奏を聴いていると、音色の変化や、音楽の流れがより客観的に聴こえてきます。そのピアニストが波に乗った瞬間というのは、手に取るように分かるもので、「こういう流れになると、お客さんも一緒に音楽の中に入っていけるのだな」と日頃考えていたことが、明確になったりします。また、生演奏は時にはハプニングもあります。もしピアニストにハプニングが振りかかったら!明日は我が身・・・ではなく、よく耳を澄ませて音の方を聴いてみてください。ちょっとミスをしても、すぐに立ち直ればなるほど、そこまで気にならないのだな、とか、とっさの判断で、曲に合うように少し音を足して、流れを損なわないように対応するピアニストなど、弾く本人にとってはあまり心地よいものではありませんが、私たちにとっては学べることがたくさんあります。
それから客席の反応です。聴き手も人間なので、そのコンサートの時間、たえず客席の雰囲気も変化します。一番分かりやすいのが、演奏会の一番最後のアンコールです。この時はピアニストも聴き手もお互いリラックスしているので、ホール全体の空気が一気に緩みます。また客席が落ち着かない時は、不思議とピアニストの心も落ち着いていないとき。やはり、舞台上の人間と、客席の人間は、直接話はしないものの、音楽を介してキャッチボールをしているのだな、というのが分かるかもしれません。
とは言っても、本当に惹きつける力を持ったピアニストが登場したら、一気にその音だけに吸い寄せられて、夢のように時が過ぎていった…なんてこともあるかもしれません。それはまた素敵な体験です!
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